小説数学という勉強法
数学の解き方をモノにするには、心の動きを把握する事が大事です。
数学の解説を小説の様に読む!
これが出来るようになれば、授業を聞かなくてもどんどん点数が上がります。
まず、高校数学の勉強法の意外と知られていない結構大事なことがあります。それは、わからなかったら早めに答えを見ることです。
答えは地図に似ています。
例えば、初めて行く土地で、とある目的地に行く時、地図を見ないでいく、という人はあまりいないと思います。
子供の頃から探検が大好きで、いつも最初は自分の力だけでチャレンジしてみる!という人なら、もしかしたら、見るべきポイントや探すべき目印なんかが大体わかる、なんて事があるかもしれません。
しかし、普通の人は、迷いに迷った挙句、スタートのすぐ横にあった目的地にたどり着くのに丸一日を費やして、ひどく時間を無駄にした気分になるだけだと思います。
高校数学の答えも同じです。
こういう道順でいけば、最短でいけるよ!と書いてあるのです。
それなら、テストのために、1問ずつ道順を全部暗記すればいいんだね!
でも、問題数が多すぎるから、とてもそんなの無理!!と思った人もいるかもしれません。
もちろん、あの量を全部暗記する、なんてことは人間には無理です。それに、結局、少しでも違う問題には全然使えないので、道順の丸暗記なんてのはそもそも、まるっきり無駄な努力です。
じゃあどうするのか?
実は、そこで、気持ちを読む事が大事になってきます。
地図じゃなく、小説の主人公が辿った道順だと思って読むのです。
なぜ、ここで、左に曲がりたいのか?
なぜここで、トンネルの下をくぐりたいのか。
なぜここで、道を渡りたいのか。
小説の場合は、道順の曲がり角などの各ポイントには、そこを曲がる理由があります。
例えば、大通りに出たいとか、煙突が見える位置まで移動したいとか。
ただ闇雲に曲がっているわけではないのです。
最短で目的地に行き着いた主人公も、全ての行動に理由があります。
数学の解説も同じです。全ての行に目的や理由があります。
ただし、数学の解説には、気持ちの部分はほとんど書かれていません。
なぜ、最初にその式を立てたくなったのか。
なぜ、その式変形をしたくなったのか。
何を避けようとして、この解き方をしようとしたのか。
一つ一つの行動の理由を自分なりに想像する必要があるのです。
文中に書かれていない作者の意図を問う、小説の問題のように。
どの教科でも同じですが、解法を自分のものにするためには、その解き方や考え方の「心の動き」を捉えること。これがとても重要です。
理系が得意な人は国語も得意な人が多いです。それは、理系が出来る人は、言葉→映像化の力が優れているだけでなく、その上でもう一つ、心の動きを「読む」事ができるからなのです。言いかえると、答えの各行の気持ちを想像し、共感し、テストの際に自分も同じ気持ちになる事が出来るのです。
次回は、実際に一問「読んで」みます。