知りたい!の源

京大卒の塾講師が感じた様々な事を書くブログ

「自分が一番大事!!」でどんどん伸びる

時間はあるのに勉強が全然進んでいかない。 こういうタイプの生徒がいます。

疑問を持ったり理由を考えることが出来ていて、あとは量をこなせば伸びる。なのに、なかなか手をつけられない。 ずっと、どうすればうまくいくのか?どのやり方が正しいのか?と悩んでいるのです。

話を聞いているうちにある事に気づきました。 それは、アクセルよりブレーキが強いという事です。

アクセルとは、欲望や感情のことです。 ブレーキとは、客観性や理性と呼ばれているものの事です。

欲望と客観性、感情と理性はたいていの場合、対立していると捉えられています。 欲望は悪く、理性は良い。 悪い欲望を良い理性で抑えなければならない、と。 しかし、これは単純すぎる考え方です。

欲望や感情は、実は原動力として、とても大事なものです。

もし食欲が存在せず、お腹が空かないなら、逃げ回るウサギをわざわざ必死になって追いかけるライオンはいるでしょうか? したいという気持ちがあって初めて、重い腰をあげられるのです。 欲望は、大事な大事なアクセルです。

それに対して、今は客観視というものがもてはやされすぎていると感じます。

ある出来事をいろんな視点から考えることは、論理的思考のとても大事な要素です。 これが賢さを決めます。

しかし、自分を客観視する、つまり自分の中に想像上の他者視点を作り、その視点から自分を見定める、というに事は、実はデメリットが存在します。 それは、自分の欲望と異なる結論が出てしまうと、欲望のエネルギーを失う、ということです。 簡単に言えば、ブレーキなのです。 良いか悪いかを他人視点で判断する人は、常にブレーキを踏んでいるのと同じです。

車を運転できる人は、運転する時、アクセルとブレーキ、どちらを踏んでいる時間が多いか、考えてみてください。 ブレーキは、他者とぶつかりそうな時や、慎重に進みたい時、一旦止まりたい時など、進み方を調整したいときに用いるだけです。 運転の基本はアクセルです。

人間も同じです。 何かを成し遂げようと進んでいくとき、最も大事なのは自分の欲求です。 そのまま進むと他人と衝突する!という時や、少し進み方を調整したい、一旦立ち止まりたいという時に初めて他人目線というブレーキを使って、考え方の違いを調整すればいいんです。

普段は「自分がどう感じるか?」を最も大切にする。そして、他人と意見が異なった時に初めて、ブレーキをぐっと踏み込んで他人の視点を想像し、相手と交渉しながら最低限折り合える所をさがす。 そして、他人視点を取り込んだ時に気づいた事によって、自分の感覚が少しずつ変わってゆく。

勉強も同じです。 そうやって普段は自分の感覚をベースにしつつ、他者の視点を想像して、その感覚を自分に取り込める人だけが、どんどん伸びていきます。

他人は他人。他人の心なんて完全にわかるものではありません。 自分の中の他人視点は残念ながらどこまで行っても自分の想像なのです。 そんな想像の他人に判断基準を頼ってブレーキをガン踏みするより、自分の欲望を大事に育てて、自分の感覚を基本としながらアクセル全開で爽快に飛ばしていきましょう!

欲望は大事なアクセルです。 あなたは、なにをしている時が楽しいですか? どんな人になりたいですか?

あなたのアクセルは何ですか??

お子さんのアクセルは何ですか?