テスト前はほとんど勉強しなくていい。
テストが近づくと、部活が休みになってテストモードに入る生徒が多いです。
テスト前だ!と張り切る生徒たちを見ていて思うことがあるのです。
どうして、”テスト前”に勉強するんでしょうか。
もしかして、あなたも学生時代、テスト前に勉強してましたか?
正直言って、全然間に合わなくないですか?
大抵の生徒は、わからない事があっても、テスト前に理解すればいいや、なんて思って放っておいてしまいます。
これは非常に無駄が多いのです。それだから成績が上がらない、と言ってもいいくらいです。
実は、テスト前に一から理解していくのは非常にもったいないやり方です。
人間は初めて見たものに対しては驚くべき観察力を発揮します。多くのことを感じることも出来ます。しかし、二度目以降はそれがありません。感覚の鮮度が違うのです。
わからないことは、出会ったその日のうちに理解しようと努力しきってください。たとえ完全に理解しきれなかったとしても、吸収の効率が断然違います。
理解とは、映像化です。具体例を映像として思い浮かべ、思い浮かべた映像と教科書に書いてあることの共通点をはっきりさせておくのです。
はっきり共通点が見えなければ、それはまだ理解していません。
一度、納得できる映像が思い浮かべられたら、もう忘れないし、多少問題をひねられても全く難しいとは感じません。
次に、理解を足がかりに、問題を解きます。
問題演習の目的は、特有のパターンを身につけることです。(基礎問題演習は除く)
残念なことに、具体的なイメージが固められていても、それだけでは点数には繋がりません。
テストで問題を解けるかどうかには、もう1つの大事な要素があるのです。
それは、"流れ"です。問題の解き方は、ちいさな目的を順番にこなしていく形になっています。その移り変わりを知っておくことです。これがパターンです。
つまり、新しく習った考え方を、”すでに理解した上で”、問題の中で何を得るためにどう使うのかを知り、真似できるようにするのです。
数学が暗記と言われることがあるのは、この部分を指しています。
問題での使い方にはパターンがあるのです。
そして、大事なのは、具体的なイメージで理解出来ていない事を、何をしているかわからなまま手順だけ真似しても、まったく応用できないという事です。
納得できる具体的なイメージとその活用の仕方の両方をモノにしていれば、テスト前は楽チンです。簡単に解けるようになってしまっている問題たちを一通り解いてみて、漏れがないかチェックするだけで良いのです。
残念な事に、出会った日に理解しようとしなかったことをテスト前に理解するには、実は余計に時間がかかります。感覚の鮮度が落ちた状態で、時間が無い焦りも加わり、うまく頭の中に映像を思い浮かべられないのです。
そして、勉強の予定が遅れ、終わらないと嘆きながら徹夜して、眠気で鈍った頭でテストを受けます。
テスト前、全然勉強してないよ!とか言いながら、テストではしっかり高得点を取る子がいるというのはよく聞く話です。
しかし、むしろ、テスト前に勉強しているからこそ、点が取れないのかもしれません。