知りたい!の源

京大卒の塾講師が感じた様々な事を書くブログ

子供の人生

子供を持ったことのない自分は甥っ子を重ねて想像するしかないのですが、どうも親が子供の人生を自分の人生の一部だと誤認するという悲劇がよく起こるようです。


何も出来ず、自分が見捨てたら即死んでしまう。そういう時期があるからでしょうか?
 
しかしながら、子供はすぐに親の庇護を離れだします。
いつから?
 
それは、歩けるようになった頃からです。
 
一人で歩けるようになるのは、独り立ちするためです。
 
自分の行きたい所へ行くためです。
 
決して親の行きたい所に行くためではありません。
 
話せるようになるのは、自分の意思をもっていて、それを他人に伝えるためです。
 
いつのまにか、子供を自分の(=親の)基準通りに育てるという悪魔のささやきに、のめり込んでしまう人がたくさんいるように思います。
 
一人の人間を、自分の思い通りに生きさせる。そんな甘い誘惑は、しかし、所詮無理な話です。
 
相手が自分の子供でなく、ひとりの大人なら、相手に自分の思い描いた人生を送らせるなんて事は無理だと、ほとんどの人が分かっています。
 
そんな無理を押し通せば、どこかに歪みができます。反抗期と呼ばれるものです。
 
暴れる子供は、親の理不尽・身勝手な要求の連続に、とうとう耐え忍ぶ気力が無くなってしまったのです。
 
自分の意思で何一つ決められない。大人がそんな状況に追い込まれたら、ものすごいストレスでおかしくなってしまうのでは無いでしょうか?
 
子供はそうならない、とどうして思えるのでしょうか?
 
子供の気持ちの存在を無視しないであげてください。子供のしたい・嫌だという気持ちの存在を肯定してあげて下さい。
なにかをしたい・嫌だと思うこと、それを他人に伝えることは、悪いことでは無い。
 
したいと感じること、嫌だと感じる事そのものは何の問題もない。
 
こういった態度で接する事が子供の自主性を育み、自分で学んでいけるように育つのに大事なんだろうなと思います。
 
その要求を実現できるかどうかとは、また別の次元の話です。
 
違う人生をすぐ隣で歩んでいる後輩。
 
そういう目で自分の子供を眺めていられると、子供にも余裕が伝わり、余裕が自主性を作り、自主性が理解力を作る事になるんだと思います。