解答を見てからが勝負!!
勉強の世界には、初見信仰というものがあります。
入試問題が初見である限り、初見で問題を解ける力を付けなければならない。
という考え方です。
これを間違って解釈した結果が、学校で指定問題集の解答を配らない、という愚かな慣習です。
問題を自力で解いてみることは実力のチェックにはなります。しかし、解く力の向上方法としては圧倒的に効率が悪いです。
実際は「解答を見てからが勝負」です。
解答は、写すためにあるのではありません。 暗記するためにあるのでもありません。 慣れるためにあるのでもありません。
解答は、「見本」です。
最終的に解答用紙に書き込むべき言葉と式の見本です。 これだけ書いてれば入試で点数がもらえるよ、という見本なのです。
どうしてその形になるのか? 一番大事な理由部分は、解答には全く書かれていません。 入試の時に書く必要がないからです。
けれど、解法の考え方を理解する上では、なぜそう解くのか?の方がよっぽど大事です。
本来しなければならないのは、「見本」を見ながら、どうしてそうするのか?を考える事です。 これを「勉強する」と言います。 これ以外は勉強しているとは呼べません。
もし、頑張って暗記してしばらくして完全に忘れて、また頑張って暗記してを繰り返しているなら、それを「苦行」と呼びます。 賽の河原と同じです。
また、問題の解法を本当に理解するには、周辺知識が必要です。
手順には、その部分ではなく先の手順の為に行っていることが多くあります。わからないままとりあえず先に進んで、そこにたどりついて初めて理解できます。
料理で言えば、なぜニンジンから入れるのかはしばらく煮てみて、初めて理解できるのです。 なぜ皮に飾り包丁を入れておくのかは、火を通した時に初めてわかるのです。
2人前の料理のレシピを完璧に丸暗記している人がいたとします。もし、その人が3人前を作ろうとした途端、料理が生煮えになってしまったとしたら?? そして、3人前のレシピを一生懸命また丸暗記し始めたとしたら。。。
たぶん、一生、料理はうまくならないだろう、と思いませんか? 勉強も同じです。
レシピを見ずに初見で作っても料理は上手くなりません。 レシピを見て覚えるだけでも、料理は上手くなりません。 レシピの手順が上手くできるようになっても、他の料理につながる知識は付きません。
レシピの手順ひとつひとつについて、何故そうするのかを考えて初めてその手順の目的が分かり、他の料理につながります。
そうすれば、初見の分量や素材でもうまく料理できるようになるのです。
入試で必要なのは、こっちの初見力です。