知りたい!の源

京大卒の塾講師が感じた様々な事を書くブログ

ベクトルの引き算

この間、生徒からベクトルの引き算について質問を受けました。


学生の頃に、自分もなぜそうなるか理解できなくて、クイズタイム(過去記事参照)に突入した事を思い出しました(笑)


結構、同じ所でつまってしまう人も多いようです。


ベクトルの引き算は、結果だけ述べると、引くベクトルの先端から引かれるベクトルの先端へのベクトルになります。


典型的な説明は、引き算をマイナスのベクトルを足す事だと考えて、ベクトルの足し算(合成)に持ち込む形だと思います。


しかし、これだと手間が大きく、引き算が出て来るたびに、頭の容量が多く取られてしまい、面倒です。


また、結局足し算なんだったら、そもそも引き算なんぞ使わないでいいのではないか?という疑問も生じてしまいます。(事実、足し算だけでも無理やり済ましてしまえます。)


そこで、


今までの引き算とベクトルの引き算は、どう似ているのか?


というテーマのクイズを考えて、引き算が先端から先端になる事を納得しようと思いました。


まずは、今まで出てきた引き算のことを考えます。


例えば 5-3

具体的にリンゴ5個から3個取った残り。

てことは、ベクトルaからベクトルbを取り除いた残り?

意味わからん。

(大抵、ここで止まってしまうのだとおもいます。)


別の道筋からなんとかならないか??


ベクトルは長さが数字になってるから、長さで考えてみよう。

長さなら、数直線!


5-3を数直線で表すと?

以前、足し算や引き算が数直線でどう現れるのか気になって考えた事があったなー。

えーと。

5の長さのリボンをゼロの所から伸ばして、そこから3の長さのリボンを取り除いた残り?


マイナスのベクトルを足すのはこれと同じだけど、先端から先端とは違うなあ。


そういやベクトルは移動を表すんだったから、5-3は、ゼロから5まで行く動きから、ゼロから3まで行く動きを取り除く?


と言うことは、3の所から5の所へ行く動きが残るな。確かに残りの長さは2だ。


こいつが、引き算の結果のベクトルか…。


あ、この残った動きは引くベクトルの先端から引かれるベクトルの先端になってる!!


なるほど、ベクトルが並行なら、先端から先端は、数直線上の引き算とちゃんと同じ絵になるのか。


ベクトルが並行じゃなくなってもおなじか!引くベクトルの分の動きをなかった事にする・キャンセルするって事は、そこがスタート位置になるんだ!


という感じでした。


この感覚は、物理の相対速度を考える時に、非常に役に立ちました。